手嶋龍一

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インテリジェンスの最強テキスト

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インテリジェンスの最強テキスト

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 「日本の現実に即した、日本の視点に立った、インテリジェンスのテキストを一緒に編みましょう」
佐藤優さんとの数年越しの、そんな約束をようやく果たすことができた。
 従来、アメリカでも「インテリジェンスの教科書」といえば、マーク・M・ローエンタール著の「Intelligence: From Secrets to Policy」(邦題『インテリジェンス 機密から政策へ』慶應義塾大学出版)をはじめとして何冊か編まれている。われわれは仕事なので一通り目を通しているが、日々忙しい実務に追われる皆さんにお薦めするのは気が引けてしまう。理由は三つ。まず公開の文書では国家の機密事項を扱えないため、どうしても扱う素材が一般的なものか、遠い過去の事例になってしまう。第二に、アメリカという国家の視点から書かれているため、時に読む進める意欲を殺がれてしまう。第三に翻訳の文体がごつごつしていて、そのうえ価格も上記の本は4200円と高い。
 このほど佐藤優さんと新たに書き下ろした『インテリジェンスの最強テキスト』は、日本の視点から、現在進行形の出来事を扱いながら、読みやすさを心がけて書き進めた。本書に登場する国際政局は、佐藤優さんと手嶋が直に現場で遭遇したケースが大半である。引用したり、参考にした文献は本文中に記載したが、一般的な参考文献が巻末に掲載されていないのは、著者の体験がひきだしになっているためである。読者はわれわれの経験を存分にわがものとして吸収していただきたい。
 「インテリジェンスのテキスト」を執筆するにあたって、最大のチャレンジはIntelligenceという言葉そのものにあった。日本語には的を射た訳語が存在しない。Informationは雑多で膨大な一般情報を指すが、Intelligenceは選り抜かれ、分析し抜かれた情報を意味し、この二つは似て非なるものだ。だが日本語に移し替えられれば「情報」となってしまう。日本には、膨大で雑多なInformationからIntelligenceを紡ぎ出す文化が十分に育たなかったのだろう。本書では巻末にインテリジェンス関連の「用語解説」といわば「インテリジェンス年表」を編んで読者の参考とした。本文のなかで冗長な用語の解説は避け、読者の皆さんは巻末の道案内を頼りに読み進めていただきたい。

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書評

「熊本日日新聞」掲載
「情報のアキレス腱詳細に」
「北國新聞」掲載
「スパイ小説を凌駕する事実」

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