手嶋龍一

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『鳴かずのカッコウ』の刊行に寄せて

 『鳴かずのカッコウ』は、インテリジェンス小説としては、『ウルトラ・ダラー』、『スギハラ・サバイバル』(ともに小学館文庫の新装版)以来、十一年ぶりの作品となりました。東アジアにはその後も次々に大きな事件が生起しているのに、なぜ十年余の間、筆を執らなかったのか――こう、しばしば尋ねられます。
 前二作は舞台こそ、たしかに日本が中心でした。しかし、物語の主人公であるインテリジェンス・オフィサーは、英国秘密情報部のスティーブン・ブラッドレーであり、その盟友も米国人のマイケル・コリンズでした。

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新着情報


鳴かずのカッコウ

新作
鳴かずのカッコウ
小学館
2021/2/25発売

インテリジェンス後進国ニッポンに突如降臨

公安調査庁は、警察や防衛省の情報機関と比べて、ヒトもカネも乏しく、武器すら持たない。そんな最小で最弱の組織に入庁してしまったマンガオタク青年の梶壮太は、戸惑いながらもインテリジェンスの世界に誘われていく。ある日のジョギング中、ふと目にした看板から中国・北朝鮮・ウクライナの組織が入り乱れた国際諜報戦線に足を踏み入れることに――。



スギハラ・サバイバル

新作
スギハラ・サバイバル
小学館文庫
2021/1/4発売

9・11同時多発テロ、リーマン・ショックなど大事件のたびに金融商品は大暴落した。その裏では事前にドルを売り抜き、有り余る資金を懐にした投資家たちがいた。そのからくりは?いま再び金融マーケットに異変が起きている――調査に乗り出した英国情報部員スティーブンは、国境を越える資本主義の源流に「諜報の天才」と呼ばれた日本人外交官・杉原千畝の影を見る。



ウルトラ・ダラー

新作
ウルトラ・ダラー
小学館文庫
2020/12/8発売

ダブリンに新種の偽百ドル札「ウルトラ・ダラー」あらわる。一報を受けたBBCの東京特派員にして英国情報部員のスティーブンは、インテリジェンスを武器に国際諜報戦の暗部を照らし出す。1960年代の印刷工拉致から2000年代の日朝極秘交渉、そして偽札の製造までを一本の線でつないだ本作は「現実の事件が物語を追いかけている」と評された。