手嶋龍一オフィシャルサイト HOME
皆様、新しい年、2025年をどのようにお迎えでしょうか。
Year of the Dragon, 龍の年は古来「天下動乱」の年といわれていましたが、昨年は果たしてその通り、波乱の年となりました。2025年は穏やかな年であってほしいと願っております。
しかしながら、アメリカでは“異形の大統領”ドナルド・トランプ氏が間もなく就任し、世界はその采配を、息を呑むように見守っています。東アジアでは台湾海峡のうねりが高くなっており、朝鮮半島にあっては南北ともに緊迫した情勢が続いています。「スティーブンズ・クラブ」の欄では、東北アジアの最新情勢についても論じておりますので是非お読みください。
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この春には、コロナウイルスを巡る米中の禁じられた関係を描いた『武漢コンフィデンシャル』(小学館)を新たに文庫としてお届け致します。米国が発動したコロナウイルス研究のモラトリアムが武漢発の災厄を生む遠因になった舞台裏をインテリジェンス小説の形でお届けします。その後、この作品の主要テーマを扱った新たな研究論文も出ており、文庫の巻末解説で扱っております。新しい文庫本も是非手に取っていただければ幸いです。
私が手がけて参りましたインテリジェンス小説は、『ウルトラ・ダラー』『スギハラ・サバイバル』『鳴かずのカッコウ』に続いて『武漢コンフィデンシャル』も文庫・電子版・オーディオ版と揃うことになりました。インテリジェンス感覚を研ぎ澄ますには「インテリジェンス活動を扱った物語を読むことがいちばんの近道」と言います。4作を通して登場する東アジアに精通した英国秘密情報部員スティーブン、そしてその盟友である米国の情報士官、マイケルの活躍をお楽しみください。
同時に新作『チャイナ・トリガー』の執筆にも取り組んでいます。新年はラオスのビエンチャンやベトナムのハノイに取材に出かけております。想定外の出来事が突如として降りかかってくる“ブラック・スワンの降臨”を新しい作品としてお届けできるよう、活きのいい情報を鋭意集めて参ります。
最後になりましたが、2025年が皆様にとって光り輝くような年になりますようお祈り申し上げます。
手嶋龍一
(事務局より:「 スティーブンズ・クラブ」へは簡単な手続きでご入会いただけます。)
- 『公安調査庁秘録』
- 中央公論新社
- 2024/08/10発売
東アジアの深層で生起する異変をいち早く察知するべく動く情報機関、それが公安調査庁だ。中露朝が核戦力を背景に日本を窺う実態を、現職のインテリジェンス・オフィサーが初めて実名で明らかにした。ウクライナとパレスチナの戦争に超大国米国が足を絡め取られる間隙を突いて、中露朝が攻勢に転じている。日本をとりまく安全保障環境の激変に警鐘を鳴らす。