手嶋龍一

手嶋龍一

手嶋龍一オフィシャルサイト HOME » ノンフィクション作品 » 葡萄酒か、さもなくば銃弾を

ノンフィクション作品

葡萄酒か、さもなくば銃弾を

メッセージ

葡萄酒か、さもなくば銃弾を

詳細を見る

『 葡萄酒か、さもなくば銃弾を 』(講談社刊)を上梓するにあたって取りあげた二十九人の顔ぶれを眺めていますと、やはり深い感慨を覚えざるをえません。「冷戦の戦士」といわれたジョン・フォスター・ダレスとダラスで凶弾に斃れたジョン・ F ・ケネディを除いた二十七人は、お付きあいに濃淡の差こそあれ、いずれも忘れえぬ人々ばかりです。

「ツルゲーネフの小径」と呼ばれるドイツ・ボン郊外の森の中で出遭った、冷戦の語り部ハンス=ディートリッヒ・ゲンシャー。「ブッシュの戦争」に立ちはだかったフランスの外相ドミニク・ド・ヴィルバン。「衝撃と恐怖作戦」を引っさげてイラク攻撃を主導したアメリカの国防長官ドナルド・ラムズフェルド。

外交ジャーナリストとして現代史が誕生する瞬間に立ち会ってきたことを幸せだと思います。同時に現場に居合わせた者の責任の重さをいま痛感しています。

実はジャーナリストはひとつの自制を課しているものなのです。自分たちが出遭った人々は確かに現代史の巨人である。だからと言って我々が偉大であるわけではない。みだりに彼らの名を口にするようなことはすまいと自らに言い聞かせてきました。そうした一方で、筆を執らなければ、現代史が紡ぎだされる瞬間も、記録されないまま虚空に消え去っていきます。

自制と責務―。そんなふたつの想いをわが胸底で発酵させているうち、政治のなかに黒々と影を落としている死を通奏低音に一冊の本を編めないかと考えるようになりました。

取りあげた人々の多くは海外特派員生活のなかで出遭った人々ですが、言うまでもなく、わが思いは常に日本と共にありました。いつの日か、この国に国際社会から尊敬の眼差しで迎えられるような先導者が出てほしい。そんな願いをこめて筆を執り続けました。皆さんにわが思いを汲んでいただければ幸いです。

こちらからも購入できます。
楽天ブックス»

書評

産経新聞 2008年8月27日
「世界の29人を取り上げた人物ルポ 政治の裏方にも焦点 命を賭した男の美学」
PRESIDENT 2008年7月14日
「本の時間」世界に影響力を持つ国家に必要な先導者像とは『葡萄酒か、さもなくば銃弾を』(PDFファイル:1.12MB)
週刊新潮TEMPO BOOKS 2008年7月10日
『葡萄酒か、さもなくば銃弾を』(PDFファイル:1.05MB)
公明新聞 2008年6月30日
「読書 国際政治で活躍の29人の光人物スケッチ」(PDFファイル:847KB)
財界 2008年6月24日
「私の感動した本」国際政局の最前線で活躍する二十九人の物語(PDFファイル:1.37MB)
2008年6月24日
財界「私の感動した本」国際政局の最前線で活躍する二十九人の物語(PDF:1.37MB)
日経ビジネス 2008年6月9日
「死の覚悟なき政治家は去れ」
熊本日日新聞 2008年5月25日
「強じんな国際政治読み解く」
環日本海シンジケート各紙 2008年5月
「ディプロマシーの崖っぷち」
「FACTA」2008年6月号
「政治の中の死」と背中合わせの外交
サイト掲載 2008年6月14日
スティーブンズ・クラブ会員からのお便り
講談社 2008年 5月号掲載
-政治のなかの死-

pdfPDFファイルをご覧になるには「Adobe Acrobat Reader(無償)」が必要です。 右のロゴをクリックしてダウンロードサイトをご利用ください。

  • 「インテリジェンス小説」一覧へ
  • 「ノンフィクション作品」一覧へ

ページの先頭に戻る