「次の総理は誰か」
― 血を吐くような努力・瀬戸雄三氏
ポスト東日本大震災の政治指導者には「政界の外から新しい血を」と申し上げたい。現下の危機にはリー・クァンユー氏のような海外のリーダーを迎え入れるのがいい。だが、国内なら会社経営で血を吐くような苦労を重ねてきた老練な人物に総理就任を懇請してはどうだろうか。
市場経済の荒波にもまれてきたアサヒビールは、これまで多くの公人を輩出してきた。そのたびに瀬戸氏が本命として挙げられたが、頑として受けようとしなかった。仲介口に軽々と乗せられるような人物ではないのだ。
だが、いまの日本はそんなリーダーを求めている。瀬戸氏は会長退任後、中国の山東省で新しい農場を切り拓いた。その情熱をニッポンのためにしばしの間、借り受けてはどうだろうか。「三顧の礼」とはこうした時のためにあると思う。