手嶋龍一

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山形の元気が隣県を支えていく

外交ジャーナリストで元NHKワシントン支局の手嶋龍一さんが27日、滞在中の天童市内で山形新聞のインタビューに応え、2001年にニューヨークで起こった米中枢同時テロ(9.11)と東日本大震災を重ね、「復興には地方からのリーダーシップが重要だ」と指摘、さらに「山形は被災地の後方支援で大きな役割を果たしていることを、胸を張ってアピールするべきだ。山形の元気が隣県を支えていく」などと語った。以下は一問一答。

―9.11と今回の震災で共通する部分とは。

 「テロと自然災害は異なるが、大きな精神的ショックを受け、悲しみに暮れている状況は同じだ。ニューヨークでは市民生活が暗く沈んでしまうことを“テロに屈する”ととらえ、最初から自粛ムードはなかった。大リーグの地元チームは10日後に試合を再開し、市民の魂を奮い立たせた。震災の場合は状況が違うが、前に向かって進む気持は大切。特に被災していない地域が落ち込んではいけない。」

―ニューヨークの動きから、さらに学ぶべき点は。

 「影の部分もあった。アフガニスタンに対する敵視や差別だ。『アフガン・パン』という名の店は根拠もなく襲撃された。福島県でも原発事故が起きた。海外では福島(FUKUSHIMA)と、原爆が落とされた広島(HIROSHIMA)の発音が似ていることから、同一視する人もいる。いわれなき差別は全力で払拭する必要がある」

―東北はどのような復興を目指すべきか。

 「『暗中に明有り』。壊滅的な被害という大きな不幸に見舞われたが、暗闇のなかでこそ明かりが見えてくる。次の世代に引き継げるような素晴らしい景観の素晴らしい街を創ってほしい。ゼロからのスタートになるが、ゼロには無限の可能性がある。中央政府のリーダーシップが欠けている状況のなかで、地方から強い指導力を持った人が現れている。建設物に関する規制を除外するなど、地域主権でまちづくりを進めるべきだ」

―復興支援に向け、山形の位置付けは。

 「これまで果たした後方支援は立派だ。被災地に遠慮する面はあるだろうが、元気な山形をアピールして経済活動や観光振興に向け積極的に取り組むべきだ。山形に観光で訪れることが被災地支援につながることも全国へPRしていいはずだ。地方の空港、港湾の重要性も実証した。山形県も、復興へ動き出している被災地と一緒になって、将来に向けた県土の姿を描いて歩み出すチャンスではないか」



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